平成30年12月10日(月)。恵日山光堂「先手寺」だ。 寺伝によれば、今から約1300年前、笠置山の千手窟で修行していた 「役行者」(えんのぎょうじゃ)が、神炎に導かれ当地に来て千手観音の 出現に出会い、一宇を創建し、恵日山千手寺と名付けた。 又、平安時代の初め、「弘法大師」(こうぼうだいし)がこの寺に止宿 した際、当寺守護の善女竜王が夢に現れ、補陀落山の香木を与えた。大 変喜んだ大師はこの木で千手観音像を刻し、本尊とした。 その後、「維喬親王」(これたかしんのう:844〜897)の乱で、堂宇 は灰燼に帰したが、本尊の千手観音は、深野池(現大東市鴻池新田辺り) に自ら飛入り、夜毎に光を放つのを見た「在原業平」(ありわらのなり ひら)が、これを奉出し、本尊として寺を再建したと伝えられる。 役行者、弘法大師、維喬親王、在原業平と歴史上の人物が次々と登場 するこの寺の寺伝は一大叙事詩になっている。 |